修復日記

古民家改修日記~古民家空間「風楽」誕生

 

(1)古民家との出会い

畑をしながらお店もできる広い古民家に住みたいと、ここ数年、ずっと思っていました。
仕事の合間に自分で車を走らせて空き家を見つけては持ち主を捜し、使わせていただけないかとお願いすることをずっと繰り返してきました。
2009年の春、この古民家を見つけました。普通なら絶対に車では通らない場所にあり、まるで引き合わされたかのような出会いでした。見た瞬間、あまりに自分のイメージしていた通りの古民家だったので驚きました。
そして何の根拠もなかったのですが、この古民家で絶対にお店ができると確信しました。

 


持ち主の方がわかり初めてお会いしたのが5月。
その後、親族会議を開き、見ず知らずの私に古民家を預けていいものかどうか、何度も話し合いが行われたようです。
ようやく6月の末に一族の合意が得られ、修復を条件に私が使わせていただけることが決まりました。
千葉氏の忠臣だった大須賀家として代々栄えてきた築400年の立派な古民家です。
屋根には大須賀家の家紋が入っています。
でも跡取りがなく、8年間、ずっと空き家のままだったので、かなりの修復が必要でした。

いざお借りできると決まったものの、さて、古民家の修復をどうしたらいいのかと悩み、専門家や友達などいろいろな人に相談しました。
そして長野在住でセルフビルドでログハウスを建て、その後何棟もログハウスの棟梁の経験のあるコタロウさんという方を友達から紹介してもらいました。


(2)いよいよ修復開始

 

コタロウさんの住む長野まで修復をお願いしに日帰りで直談判に行ったのは6月末。
断るに断り切れず?その場で棟梁を引き受けてくれたコタロウさん。
仕事の合間をぬって休日ごとに泊まりがけで千葉まで来てくれることになったので、予算のない私はその日程に合わせて、助っ人を集め、素人集団の人海戦術で修復していこうということになりました。


7月5日 本格的な工事の開始

 

当日はあちこちから人が駆けつけてくれて古民家の裏にある祠で祝詞をあげた時には20名ほどになっていました。
初めて現場を見たコタロウさんは「これは思っている以上に相当大変な仕事になるね。」

7月8日
私はメルマガとブログで店を正式に移転することが決まったことをお伝えし、
古民家の修復の工事日程に合わせてお手伝いして下さる方を呼びかけた。


(3)泊まり込みの集中作業

7月11〜13日

  最初の仕事は梁の上にある積もり積もった埃を取ること。長い脚立をかけて、梁に上ったらもう真黒。取っても取ってもキリがない埃と格闘。 玄関のサッシを外そうとしたのですが建物が曲がっていて一苦労。車のジャッキを使って鴨居をあげて外しました。 奥座敷の畳をどかして基礎となる根太を作り直す。

7月18〜21日

  運び込んだ材木を庭に並べて。 腐っていた柱を取りかえ、古い壁を解体し新しい壁を作った。 ダイヤガラスをリサイクルして土間に出窓を作った。   仏間の天井張り。柿渋で塗った杉板を使用。 修復工事の合間のティータイム。みんな泥んこで疲れてたけどいつも笑いが絶えませんでした。 べニアの古い戸が打ち付けてあるだけで窓も敷居もない西側にすりガラスをはめ込んだ・・・でもまだ動かせない。

玄関の戸が入ってその日の工事が終わってみんなで記念撮影!


(4)小さな仕事あれこれ

  7月24日 出窓のペンキ塗り 7月25日 土間の珪藻土塗り。できあがった土間の壁に黄色い珪藻土を塗っていった。 7月30日 寝室の床貼り。引っ越しが4日後だというのにプライベートルームには床がない。この間、コタロウさんの都合がつかなかったので、急きょ別の方に板貼りをお願いすることに。私はカットした板をドリルで打ち込んで行った。


(5)お店の閉店~引越~古民家に暮らしながら修復の続き

  8月2日 宗吾霊堂の店で感動的な最後の営業日。涙は流したけれど最後はみんなで笑ってこの店の卒業式をした。最後に働いてくれたスタッフたちと。 8月3日 涙の乾く間もなく次の日は店と自宅の引っ越し。予算がないので、軽トラやワゴン車でのピストン輸送。スタッフはみんな遅くまで引っ越しを手伝ってくれたが、荷物の多さに古民家は足の踏み場もなし。私はあまりの大変さにもう死ぬかと思った。 8月7日 引っ越し後初めてコタロウさん上京。コンセントを新設し、茶の間の天井を張る。縁側の戸を作る。


(6)厨房工事開始

  8月14日 お店用に使う厨房を古民家の台所の奥の北側に増設。 予算がないので、古民家にあったサッシやべニヤを集めて作業を開始。 まさに手作りのあり合わせ!でもその手作り感が何とも私らしい?! 8月16日 ブレーカーの増設と電気工事 8月22日 和室に電気を設置   8月23日 厨房のステン貼り 8月24日 コタロウさんを迎えての最後の工事 ようやく西側のすりガラスの敷居ができて、窓が開けられるようになった。 一日の終わりが近付くに従って、泣きそうになるのを必死でこらえ、笑顔でコタロウさんを見送ることができた。


(7)その他の工事

  8月21日 井戸掘り 8月28日 友達の友達である庭花創師舎の込山さんが庭のアプローチを作ろうと申し出て下さり、茅ヶ崎から何と4回もボランティアで風楽に通って下さった。 一人でユンボとユニックを操り、植え木を移植している姿は動きに無駄がなくもう惚れ惚れ。 それもそのはず。かつてプロスキーヤーだったそうだ。体の動かし方が全く違う。9月2日 シンクを入れて配管し、厨房完成!


(8)完成

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9月6日
手伝ってくださった方々と完成パーティー


2010年 9月8日 古民家空間 風楽 オープン