「シスター・チャンドラとシャクティの踊り手たち」上映&松居和監督トーク会
子どもの本や教育の専門家であり、音楽プロデューサー、元埼玉県教育委員会委員長である松居和さんが監督・撮影を行った映画「シスター・チャンドラとシャクティ―の踊り手たち」の上映会を開催します。
〜踊ることで人権問題に挑む少女たち〜
インドに住むシスターチャンドラは幼い時から社会的弱者のために活動したいと思っており、社会福祉に力を入れているカトリックの修道会に入りました。
修道会の研修では身分を隠しダリット(カースト制の中で、最下層のアウトカーストと呼ばれ抑圧される人々・不可触民)と農作業をしました。
シスターが炎天下の農作業中に水を飲もうとした時、殴られ、激しくののしられるという体験をしました。
それがダリットのために生涯を捧げようと決意するきっかけとなりシャクティセンターを設立。
ダリットの少女たちを集めて裁縫や読み書き、権利意識やダンスを教えています。
シスターチャンドラ自身も音楽が好きなこともあり、民俗芸能を身につけることがダリットの自尊心や誇りを育てると確信し、タミルナードゥ州に伝わる民俗舞踊や民謡の習得には特に力を入れています。
彼女たちが叩くタップーというドラムは、本来ダリットの男性によって葬儀の太鼓として演奏されているものです。
職業の世襲、職業を取り巻く慣習がカースト制にはあり、ダリットの人々は今も差別を余儀なくされています。
シスターはダリットの少女たちが踊ることで、自らおかれた社会的環境や問題を理解し、自尊心を回復し、内面から意識変革を果たすと信じています。
タップーを叩きながら踊る少女たちの姿は美しく自信にあふれていました。
ダリットの少女たちは自らの境遇や抵抗の精神をこめて歌い踊り、カースト制度の現実を知ってもらうための公演しているという話を聞いた松居和さんは、2008年、ビデオカメラを持って渡印。
この映画は和さんがシスターたちと行動を共にした記録です。
差別とは。
踊るとは。
そして人間の幸せとは。
いろいろなことを考えさせられるドキュメンタリーです。
監督のトークもお楽しみに。
尺八のミニ演奏も予定しています。
第41回ワールドフェスト・ヒューストン国際映画祭、長編ドキュメンタリー部門で金賞受賞。イングランド国際映画祭、南アフリカ国際映画祭招待作品。
◇日時:4月12日(土)10:00〜13:00
◇参加費:2000円(カレーランチ付き)
◇申し込み:furaorganic@gmail.comへメールでどうぞ。
*「踊り手たち」が来日した時、NHK国際放送で放映されたものです。https://www.facebook.com/…/pcb…/582160914458805
◇松居和さんプロフィール
1954年、東京生まれ。慶応大学哲学科からカリフォルニア州立大学(UCLA)民族芸術科に編入、卒業。尺八奏者としてジョージ・ルーカス制作の「ウィロー」、スピルバーグ監督の「太陽の帝国」をはじめ多数のアメリカ映画に参加。
1988年、アメリカにおける学校教育の危機、家庭崩壊の現状を報告したビデオ「今、アメリカで」を制作。
1990年より1998年まで、東洋英和女学院短期大学保育科講師。「先進国社会における家庭崩壊」「保育者の役割」に関する講演を保育・教育関係者、父母対象に行い、欧米の後を追う日本の状況に警鐘を鳴らしている。
NHK「すくすくあかちゃん」、静岡テレビ制作「テレビ寺子屋」TBS「報道特集」などに出演。
2001年、文芸春秋三月号に「アメリカの学校教育を見習うな」を執筆。日本小児科学会第百回記念大会、日本小児保健医学会、乳幼児教育学会、厚生労働者児童家庭局、自民党少子化対策委員会、東京都青少年健全育成会、各県保育士会、私幼連PTA連合会など、毎年多数の講演をしている。
2002年に朝日新聞「私の視点」中日新聞「人生のページ」に執筆。2003年、小冊子「子育てと幸せの関係」(埼玉私幼連発行)が埼玉県の幼稚園を通して11万世帯に配られる。
2004年版文芸春秋社「日本の論点」に「子育ての社会化は破壊の論理」を執筆。
2006年から2010年まで埼玉県教育委員会委員長。
